1月の気温が0℃を切った早朝、「交通事故でもいいからヒラメ釣れて欲しい」と、よく行くヒラメポイントへ。そして、
見事に事故りました。
事故ったといっても、交通事故ではなく、ロッド破損事故です…
このポイントは干潮になると現れる2段目の石積みが難所。沖で海苔の養殖が始まると、流れ着いた海苔が岩に付着し、濡れると摩擦がほぼゼロになる超危険な場所になります。もちろん、そのことは承知の上で、滑らない場所を選んで石の上に乗ったのですが、見事に転倒してしまいました(汗)。
幸い、ライフジャケットを着用しており、ロッドを抱え込み、背中を丸めるように受け身を取ることができたので、
「安心してください、ノーダメージです!!」
…と言いたいところでしたが。
その後、ロッドを振ってみると、ものすごい違和感が!
「??」と思い、ロッドを確認すると、折れてはいないものの、キャストしてラインを巻くと、異常なほどラインが擦れる感覚が伝わってきます。
注意深く見てみると、なんとトップガイドのsicリングだけが見事に吹き飛んでいました。おそらく、転倒した際にトップガイドだけが激しく岩にぶつかり、破損したのだと思います。
結局、この日は釣りにならず、わずか数分で泣く泣く帰宅することになりました。
さて、この破損したトップガイドをどうするか?
ロッドはまだ活躍してほしい。「オーバーゼアAIR108ML」。メーカーに修理に出すと、2~3週間はかかる。そもそも、こんなに長いロッドをメーカーに送れるのか?←これは後から考えると間違いだったのですが、その解説はまた別のブログで
ここで思いついたのが、トップガイドを自分で交換してしまえば、2~3週間が1週間程度に短縮でき、修理費用も安くなるのではないか?ということでした。
早速、修理方法をネットで検索。
すると、富士工業のsicリングはリングのみの販売はなく、たとえ何らかの手段でリングが手に入ったとしても、ガイドにはめ込んだ後の耐久性は低く、リングだけが外れてしまうケースも多いようです。
ここでようやく、リングが外れる=今使っているロッドで釣りを続けることが不可能になる、ということに気が付きました。普段、気にすることなく使っているロッドのガイド。破損してしまうと、今回のように釣りができずに泣いて帰らなければならないのです。これが片道30分以上かかるロックショアだったら、大ダメージです。リングだけの交換は、技術的にもリスク的にも無理だと判断しました。
ならば、ガイドそのものを交換してしまえばどうだろうか?
この方法なら、割高にはなるものの、ガイドは購入できるので、型番さえ分かれば交換できそうです。
たまたまロッドがDAIWA製だったので、WEB上のパーツ検索システムを利用することができました。ロッドの型番を入力し、検索すると、トップガイドは「T-KGST7」と表示されたので、これをAmazonとYahoo!ショッピングで検索したところ、Yahoo!ショッピングの方が送料を考慮しても安く購入できました。トップガイドといっても、リングはsic、フレームはチタンだったので、ガイド1つで1700円、送料を含めると約2000円と、なかなか高価でした。
注文したガイドは数日で届くので、それまでに破損したロッドのトップガイドを外しておく必要があります。これもやったことがなかったので、ネットで検索。
トップガイドの外し方は、ライターの火でロッドを軽く熱し、表面のウレタンを柔らかくしてから、ガイドを固定しているスレッド巻きを外し、ロッド先端にガイドがかぶさっている状態になったら、ロッドを燃やさないように注意しながらガイドを加熱し、接着剤とウレタンを溶かしながらガイドを引っ張ると簡単に外れるようです。
ロッド自体はカーボン製なので、とにかく熱の加えすぎには注意が必要とのこと。
とにかく、やってみないことには始まらないので、100円ショップでチャッカマンを買ってきて、ビビりながらコーティングを溶かし、スレッドにカッターで切り込みを入れると、思っていたよりも簡単にスレッドは外れました。
次は、ガイドに熱を加えて取り外す作業です。これも思っていたより簡単でした。
リングがないガイドを小型のラジオペンチで挟み、ライターの火を少しだけ当てて、ガイドを左右に動かすと、わずかにガイドが動きます。この作業を2、3回繰り返すと、ガイドが外れました。ガイドを炙った時間は1秒足らず。これくらいの熱でガイドが外れるのは意外でした。夏場の車内へのロッド放置が不安になりました。
というわけで、ここまでは順調に作業終了。
ガイド取り外し作業後、週末を前に交換用のガイドが到着したので、取り付け作業に入ります。
ガイドの固定に必須な材料は、
接着剤以外はAmazonで購入。
スレッドは、どこから見てもただの糸なのですが、ロッドに使われるものは何が違うのか、違いが分かりません。
エポキシコート剤は、2液タイプと1液タイプがあり、2液タイプは開封しても硬化しないため、次回の作業でも使えますが、1液タイプは使い切りで、次回使う時はガチガチに固まって使えません。今回は、少量の1液タイプが安価で見つかったので、それを使うことにしました。
まずは、ガイドに接着剤を入れ、ロッド先端に固定します。その後、スレッドをガイドの上から巻き、エポキシコート剤を適当に薄めて、刷毛で塗っていきます。十分に塗れたら、外に出してエポキシを硬化させます。1時間ほど経過してロッドを見てみると…ん?厚塗りしたはずのエポキシが激やせして、スレッドがむき出しになっています(汗)。
後から調べると、1液タイプは硬化後の痩せ方がひどく、ロッド修理には一般的に2液タイプが使われるとのこと…ミスった
まあ、今回はやり切るしかないので、1日修理に費やすつもりで、塗っては乾燥、塗っては乾燥を繰り返し、エポキシの厚い層を完成させました。
修理が終わったロッドがこちらです…
お世辞にも、売り物になるクオリティには程遠いですね(笑)。
まあ、いい経験をさせてもらったということで、これで修理完了としましょう。
修理後、数回の釣行で使用していますが、ガイドが動いたり、エポキシが割れたりする症状も出ていないので、それなりに耐久性はあるようです。
今回の修理を通して、ロッドの構造や修理方法について学ぶことができました。今後は、ロッドを大切に扱い、長く愛用していきたいと思います。