冬のライトゲームの主役といえば、メバル。 「春を告げる魚」と書きますが、 彼らの本当のドラマは冬の産卵シーンに隠されています。
実は以前、私が撮影に成功した 「メバルの出産シーン」の映像が、 あの
人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』で使用されたことがあります。

プロの制作現場からも
注目されるほど、 メバルの出産は神秘的で、 かつ、釣りにおいても重要なヒントが詰まっているんです。
今回は、全国のフィールドで役立つ メバルの産卵メカニズムと攻略法を深掘りします。
メバルの産卵(出産)時期は、 桜前線とは逆に「南から北へ」と進んでいきます。
海水温が15℃を下回り始める頃が、 産卵へのカウントダウンの合図です。
・九州・四国・山陽:12月〜1月 比較的サイクルが早く、年明けには産後個体が目立ち始めます。
・関西・中部・関東:12月後半〜2月 冬の真っ只中が最盛期。その年の寒さで1ヶ月ほど前後します。
・東北・北陸:1月〜3月 低水温期が長いため、春先まで産卵個体が見られることも。
カレンダーよりも、そのエリアの「現在の水温」を チェックするのが爆釣への一番の近道です。
多くの魚は卵を産みますが、メバルは違います。 「お腹の中で卵を孵化させ、赤ちゃん(稚魚)を産む」 という珍しい戦略をとっています。
これを卵胎生(らんたいせい)と呼びます。
・母体で大切に育てる 卵の期間を母体で守るため、稚魚の生存率が非常に高い。
・命の誕生 交尾から約1ヶ月後、数千匹の稚魚を産み出します。
・お母さんへの負担 出産直前は、お腹が四角く角張るほど膨らみます。
私が映像に収め、番組で紹介されたあの瞬間も、 厳しい自然界で命を繋ごうとする、 メバルの力強さが凝縮されていました。
産卵の状態によって、メバルの食い気は劇的に変わります。 今の魚が「どの状態か」を見極めるのがコツです。
① プリスポーン(産卵前) デカメバルを狙うなら、間違いなくこの時期。 産卵に向けて体力を蓄えるための「荒食いモード」です。 高活性なので、ボリュームのあるワームや 波動の強いプラグで強気に攻めましょう。
② アフター(産卵直後) 出産でエネルギーを使い果たし、体調を崩している状態。 いわば、ひどい夏バテのようなものです。 活性が低く、吸い込む力も弱いため、 0.5g前後の軽量ジグヘッドをふわふわ漂わせる、 繊細な釣りが求められます。
③ アフター回復(体力回復期) 春に向けて体力が戻り、再び活発にエサを追う時期。 ベイトとなるアミや小魚が増えるタイミングと重なり、 数・型ともに期待できる黄金期に突入します。
鉄腕DASHで紹介されたような命の誕生を知ると、 1匹のメバルの尊さがより深く感じられます。
メバルは成長が非常に遅い魚です。 20cmになるのにも数年かかります。
特にお腹の大きなメスは、 未来の数千匹の命を預かっています。
これからも豊かな海でメバリングを楽しむために、 産卵に関わる個体や小さなサイズは、 優しく、素早くリリースしてあげる。 そんな「粋なメバリスト」でありたいですね。
メバルの産卵を知ることは、 「今、海の中で何が起きているか」を読み解く、 最高のヒントになります。
このサイクルを意識するだけで、 あなたの釣りはもっと深く、面白いものになるはずです。
冬の冷たい海、その中で命を繋ぐメバルたち。 その鼓動を感じながら、一投を楽しんでみませんか。