四国地方は、その豊かな自然と清らかな河川に恵まれ、古くから天然鮎の宝庫として知られています。毎年夏から秋にかけて、多くの鮎釣り愛好家が四国各地の河川を訪れ、その魅力を堪能しています。鮎釣りは単なるレクリエーション活動に留まらず、地域経済に貢献し、また、その土地固有の文化や伝統と深く結びついています。
しかし、これらの河川で鮎釣りを楽しむためには、各河川を管理する漁業協同組合(以下、漁協)が発行する「遊漁券」の購入が法的に義務付けられています 。この遊漁券の購入は、釣り人にとって単なる入場料ではありません。遊漁券の売上は、漁場の維持管理、稚鮎の放流、河川環境の保全活動、そして密漁対策など、持続可能な漁業資源と健全な河川生態系を守るための極めて重要な財源となっています 。複数の漁協で遊漁料が河川の健全な状態を維持するための貴重な収入源であると明示されていることは、この制度が単なるアクセス管理ではなく、地域全体の生態系保全と資源管理に貢献する仕組みとして機能していることを示しています。これは、レクリエーション活動が自然環境の維持に直接的に貢献する、持続可能なモデルの一例と言えるでしょう。
本ガイドは、四国地方の主要な鮎釣り河川における遊漁券の種類、料金、および購入に関する詳細かつ実用的な情報を提供することを目的としています。香川県、徳島県、愛媛県、高知県の各県に焦点を当て、各漁協ごとの料金体系、適用される割引制度、遊漁券の購入方法、そして現場での特記事項や注意点などを網羅的に解説します。この情報は、鮎釣り計画の立案に役立つ実践的なリソースとなることを目指しています。
香川県三豊市を流れる財田川は、古くから鮎の宝庫として知られています 。財田川を管轄する三豊淡水漁業協同組合は、1987年より鮎の放流を継続的に行っており、地元の園児や小学生を招いた放流活動も実施し、地域社会と連携しながら自然保護意識の向上に努めています 。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
一般 | アユ, フナ | ¥4,000 | – | |
障害者 | アユ, フナ | ¥1,500 | – | 要証明書 |
中学生 | アユ, フナ | ¥1,500 | – | |
小学生以下 | アユ, フナ | 無料 | 無料 | |
70歳以上 | アユ, フナ | 無料 | 無料 |
この料金体系は、一般の釣り人から収益を得つつ、障害者や中学生には割引を適用し、小学生以下および70歳以上の釣り人には無料で遊漁を許可している点が特徴です。このような階層的な料金設定は、漁協が収益確保と同時に、より幅広い層の人々、特に将来の釣り人となる若年層や、社会的な配慮が必要な層へのアクセスを促進していることを示唆しています。これは、単に経済的な側面だけでなく、地域社会におけるレクリエーション活動の普及と、河川環境への関心を高めるための戦略的な取り組みであると解釈できます。
財田川のアユの漁期は、公示日から9月30日までと定められています 。遊漁規則では、6月1日から9月30日までと具体的に記載されています 。特に注意すべき点として、9月1日から9月30日までの期間は、財田川三架橋から上流の鹿隈橋までの区域が遊漁禁止区域とされています 。遊漁券の購入は、三豊淡水漁業協同組合事務所または指定のオンラインシステム(FISHPASSなど)で可能です。また、漁場監視員に現場で直接納付することもできます 。遊漁の際には、必ず遊漁承認証を携帯し、漁場監視員の要求があった場合には提示する義務があります。遊漁承認証の他人への譲渡や貸与は固く禁じられています 。
徳島県内では、吉野川、鮎喰川、勝浦川、立江川、那賀川、海部川といった主要河川が鮎釣りの対象として知られています 。これらの河川でアユ、アマゴ、ウナギなどの漁業権対象魚種を採捕する際には、必ず地元の漁業協同組合や釣具店で遊漁券を購入する必要があります 。
徳島県では、河川全体の漁業資源管理のため、県レベルでの採捕禁止期間が設けられています。アユの場合、1月1日から5月31日まで、および10月20日から11月10日までが採捕禁止期間とされています(那賀川水系川口発電所堰堤から上流および祖谷川水系三縄発電所堰堤から上流を除く) 。このように、県全体で統一的な禁漁期間が定められている一方で、各漁協が管轄する河川では、さらに詳細な遊漁規則や料金体系が設定されています。この二重の規制構造は、広域的な資源保護の枠組みを県が提供し、その中で各漁協が地域の特性や漁業資源の状況に応じたきめ細やかな管理を行っていることを示しています。これは、地域と広域の連携による包括的な内水面漁業管理の体系が確立されていることを意味します。
吉野川漁業協同組合は、徳島県と高知県境から吾川郡いの町高藪堰堤までの吉野川本流および支流を管轄しています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
遊漁券の料金は以下の通りです。
遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
竿釣 (男性) | アユなど | ¥8,000 | ¥3,000 | 現場加算金¥2,000。身体障害者無料(要承認証)。中学生以下は無料対象外。 |
竿釣 (女性) | アユなど | ¥5,000 | ¥2,000 | |
と網・なげ網 | アユなど | ¥10,000 | ¥6,000 |
吉野川漁協の料金体系における顕著な特徴は、男性と女性で遊漁券の料金が異なる点です。特に年券において、男性は¥8,000に対し、女性は¥5,000と設定されています。このような性別による料金差は、女性の釣り人層の拡大を促進し、より多様な人々が鮎釣りに参加しやすい環境を整備しようとする漁協の意図が反映されていると考えられます。これは、単に収益を最大化するだけでなく、レクリエーション活動の社会的な包摂性を高め、将来的な釣り人口の維持・増加に繋げるための戦略的な取り組みであると解釈できます。
吉野川では、漁場監視員に現場で遊漁券を納付する場合、通常の料金に加えて¥2,000の加算金が徴収されます 。また、身体障害者で組合の承認を受けた者は遊漁料が無料となりますが、遊漁承認証の着用は必須です。ただし、中学生以下は無料の対象外とされています 。遊漁承認証は再発行されないため、紛失には注意が必要です。遊漁の際には、遊漁承認証を必ず着用し、監視員から提示を求められた際には応じる義務があります 。
鮎喰川は徳島県を流れる河川であり、鮎釣りが盛んに行われています 。鮎喰川漁業協同組合が遊漁を管理しています。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
竿釣 | アユなど | ¥5,000 | ¥1,500 | 現場加算金 日券+¥500, 年券+¥1,000。 |
竿釣, たも網, 竹筒, 投網, しゃくり | アユなど | ¥8,000 | – |
鮎喰川漁協の遊漁券は、使用する漁具や漁法によって料金が細分化されている点が注目されます。例えば、「竿釣」のみの場合は年券¥5,000ですが、「竿釣、たも網、竹筒、投網、しゃくり」といった複数の漁法を包括する券は年券¥8,000と高額に設定されています 。この料金設定は、各漁法が鮎資源に与える影響度を考慮した管理方針を示唆しています。投網やしゃくり釣りなど、より効率的または広範囲に魚を採捕できる漁法に対して高い料金を設定することで、漁獲圧を調整し、資源の持続可能性を確保しようとする漁協の意図が読み取れます。これは、単に漁獲量を制限するだけでなく、漁法の選択を通じて資源管理を行うという、漁業管理における洗練されたアプローチと言えるでしょう。
遊漁券を漁場で直接購入する場合には、日券に¥500、年券に¥1,000が加算されます 。鮎喰川漁業協同組合事務局は神山町役場内にあり、電話番号は088-676-1118です 。
那賀川は徳島県を流れる主要河川の一つであり、その広範な水系は複数の漁業協同組合によって管轄されています 。
那賀川水系の主要な漁協における遊漁券料金は以下の通りです。
那賀川水系の主要な漁協における遊漁券料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
那賀川 | 那賀川上流漁業協同組合 | 一般 | アユなど | – | ¥2,000 | 現場加算金¥1,000。 |
上那賀町漁業協同組合 | 竿釣 | アユ, あまご, うなぎ | ¥12,000 (要写真) | ¥3,000 | 網漁年券は正組合員のみ¥10,000。 |
那賀川水系で注目すべきは、上那賀町漁業協同組合の遊漁許可証が、ふるさと納税の返礼品として提供されている点です。¥27,000の寄附を行うことで、2025年3月から11月末まで有効な遊漁許可証を得ることができます 。これは、漁協が従来の遊漁券販売だけでなく、地方自治体の「ふるさと納税」制度を活用して、河川環境保全や資源管理のための新たな財源を確保しようとしていることを示しています。この取り組みは、レクリエーションとしての釣りの価値を、地域振興や環境保全というより広範な文脈で捉え、多様な資金調達チャネルを模索する現代的な経営戦略の一環であると評価できます。
那賀川上流漁業協同組合が管轄するアユの漁期は、川口ダム堰堤から上流全域では6月20日から12月31日まで、下流全域では6月1日から10月19日まで、および11月11日から12月31日までと定められています 。遊漁券は、各遊漁券取扱所で購入できるほか、漁場監視員に現場で納付することも可能ですが、その際には¥1,000の加算金が適用されます 。
愛媛県内では、肱川、銅山川、面河川、中山川、重信川、広見川、蒼社川といった多くの河川で、鮎の友釣り、毛ばり釣り、コロガシなど様々な方法で鮎釣りを楽しむことができます 。これらの河川はそれぞれ異なる漁業協同組合によって管理されており、遊漁券の種類や料金、規則も多岐にわたります。
愛媛県中予地方を流れる重信川は、重信川漁業協同組合によって管理されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
重信川(重信川漁業協同組合)
愛媛県中予地方を流れる重信川は、重信川漁業協同組合によって管理されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
重信川 | 重信川漁業協同組合 | 一般 (2018年データ) | アユなど | ¥2,600 | – | 小学生以下無料、75歳以上半額。FISHPASSで全魚種券購入可。 |
重信川漁協では、遊漁券のオンライン購入にFISHPASSアプリが導入されており、全魚種券や投網券が購入可能です。このデジタル遊漁券は、スマートフォンで券の購入から監視員への提示までを完結させることができ、電波が届かない場所でも購入済み遊漁券の表示が可能であるため、釣り人の利便性を大幅に向上させています 。オンライン販売の導入は、漁協が現代の消費者の行動様式に適応し、遊漁券の販売チャネルを多様化することで、購入の障壁を低減し、結果的に遊漁者の増加や規則遵守の促進を目指していることを示唆しています。これは、漁業管理におけるデジタル化の進展を示す好例と言えるでしょう。
料金については、2018年のデータとして年券¥2,600が示されていますが、最新の料金は漁協に直接確認することが推奨されます 。また、小学生以下は無料、75歳以上は半額となる割引制度も設けられています 。
肱川漁業協同組合は、肱川水系下流域の本流および支流を管轄しています 。
遊漁券の料金体系は、漁法によって細かく分類されています。
遊漁券の料金体系は、漁法によって細かく分類されています。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
肱川 | 肱川漁業協同組合 | 遊漁A (鮎友釣り、なげあみ、じんどう、及びBの漁法) | アユなど | ¥4,000 | – | 日券は実店舗のみ。上流域使用不可。 |
遊漁B (鮎友釣りを除く釣り、さで) | アユ(毛鉤のみ), アマゴ, マス, コイ | ¥2,500 | – | |||
遊漁とあみ (とあみ、及びAの漁法) | アユなど | ¥8,000 | – |
この遊漁券の分類は、鮎友釣りを含む「遊漁A」、鮎友釣りを除く「遊漁B」、そして投網を含む「遊漁とあみ」といった具体的な漁法に基づいて設定されており、それぞれ異なる料金が適用されます 。この詳細な分類は、漁協が各漁法が鮎資源に与える影響や、その漁法を用いる釣り人の特性を深く理解し、それに応じて遊漁料を調整していることを示しています。特に、友釣りという伝統的な鮎釣りの方法を明示的に区分していることは、文化的な側面や、その漁法が資源に与える特定の負荷を考慮した管理が行われている可能性を示唆します。これは、漁業管理が単一の料金体系ではなく、多様な漁業活動の実態に合わせたきめ細やかなアプローチを採用していることを裏付けています。
日券は実店舗のみでの販売となっており、オンラインでの購入はできません 。また、遊漁券は肱川上流域(鹿野川ダムより上流)では使用できないという区域制限があります 。有効期間は2026年5月31日までと明記されています 。
銅山川漁業協同組合は、四国中央市金砂町より上流の銅山川本流および支流を管轄しています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
銅山川 | 銅山川漁業協同組合 | 一般 (竿釣, 友釣など) | アユなど | ¥6,000 | ¥1,500 | コンビニ、オンライン(つりチケ, FISHPASS)購入可。現場加算金¥500。 |
投網 (アユ, コイのみ) | アユ, コイ | ¥20,000 | – | 漁協事務所のみ販売。 |
銅山川の遊漁券は、取扱店(釣具店等)の店頭だけでなく、コンビニエンスストアのマルチコピー機、さらには「つりチケ」や「FISHPASS」といったオンラインサイトでも購入できる点が特筆されます 。このように多様な販売チャネルを提供していることは、漁協が釣り人の利便性を最大限に追求し、遊漁券の購入障壁を低減することで、より多くの釣り人に規則を遵守してもらい、結果として漁協の収益基盤を強化しようとしていることを示しています。特に、デジタルプラットフォームとコンビニエンスストアという現代的な購入手段の導入は、漁業管理における顧客志向と効率化への強い意欲を反映していると言えるでしょう。
漁場監視員に現場で遊漁券を納付する場合には、¥500の加算金が徴収されます 。遊漁券の売上は、漁場の維持管理や魚の放流に利用されることが明記されており、釣り人の支払いが直接的に河川環境の保全に繋がることを示しています 。
面河川漁業協同組合は、仁淀川水系の面河川および久万川を管轄しており、久万高原町の河川で漁業を行うには鑑札が必要です 。
は鑑札が必要です 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
面河川 | 面河川漁業協同組合 | 友掛け(竿釣, 手釣, タモ網含む)腕章A | アユなど | ¥3,800 | – | 小・中・高生は¥1,350。小学生以下・中学生・70歳以上は竿釣・手釣のみ無料。 |
面河川では、遊漁規則に違反した場合の罰則が明確に定められている点が重要です。期間外や禁漁区での漁業、あるいは規定外の漁具を使用した場合には、「過怠金」が課せられ、愛媛県内水面調整規則により罰則が適用される可能性があります 。このような明確な罰則規定の存在は、遊漁券の購入が単なる料金支払いではなく、漁業規則への同意と遵守を伴う法的な行為であることを強調しています。これは、漁協が資源管理と環境保護に対して強い責任を持ち、そのための規則の執行を厳格に行うことで、持続可能な漁業環境を維持しようとする姿勢を示しています。
また、ます類15cm以下、うなぎ25cm以下は採捕禁止という体長制限も設けられています 。鑑札は役場の他、各地に設けられている鑑札交付所で交付されます 。小学生、中学生、70歳以上の方は、竿釣、手釣のみ無料となります 。
中山川漁業協同組合は、中山川水系の本流および支流を管轄しており、釣り専用区も設けられています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
中山川 | 中山川漁業協同組合 | 鑑札入漁証 (釣り・友釣り共通) | アユなど | ¥4,000 | – | オンライン(つりチケ, FISHPASS)購入可。現場加算金¥500(推測)。 |
中山川の遊漁券は、釣り・友釣り共通の鑑札入漁証として年券¥4,000(税込)で提供されています 。銅山川の事例から推測すると、中山川の遊漁券も「つりチケ」や「FISHPASS」といったオンラインプラットフォームでの購入が可能であり、現場監視員からの購入には¥500の加算金が適用される可能性があります 。休漁区として、10月15日から11月5日までの期間、西条市玉之江の中山川橋梁下流端から同市氷見の新兵衛橋上流までが指定されています 。
加茂川漁業協同組合は、加茂川水系の本流筋および支流の谷川を管轄しています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
加茂川(加茂川漁業協同組合)
加茂川漁業協同組合は、加茂川水系の本流筋および支流の谷川を管轄しています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
加茂川 | 加茂川漁業協同組合 | 竿釣 | アユなど | ¥5,000 | – | オンライン申込後、現金書留で郵送。要写真。 |
加茂川の竿釣年券は¥5,000で、オンラインフォームでの申し込み後、現金書留で郵送する形式が取られています 。本人確認のため、顔写真の添付が必要です。遊漁券の有効期間はその年度内とされています 。なお、参照資料には京都の賀茂川漁協の情報も含まれていますが、本ガイドでは愛媛県の加茂川漁協の情報に限定して記載しています 。
岩松川漁業協同組合は、岩松川水系の本流および支流を管轄しています 。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
岩松川 | 岩松川漁業協同組合 | 友釣 (竿釣, 手釣, タモ網含む) 腕章A | アユなど | ¥6,500 | – | 小学生以下無料、75歳以上半額(一部漁法)。オンライン(FISHPASS)購入可。 |
手釣・竿釣・友釣・たも網 | アユなど | ¥3,000 | ¥1,000 | |||
投網・なげ網 | アユなど | ¥7,000 | – |
岩松川の鮎釣り遊漁券には、複数の料金設定が存在します。例えば、友釣を含む竿釣りの年券として¥6,500が示されている一方で、手釣・竿釣・友釣・たも網の年券が¥3,000、日券が¥1,000と記載された資料も存在します 。このような情報源間の料金の不一致は、遊漁規則の改定、特定の券種の詳細な定義、または情報更新のタイムラグに起因する可能性があります。この状況は、釣り人が最新かつ正確な情報を得るためには、漁協の公式ウェブサイトや直接問い合わせを通じて、必ず最新の情報を確認することの重要性を示唆しています。特に、料金体系が複雑な場合や、複数の漁法を組み合わせる場合は、事前の確認が不可欠です。
岩松川では、小学生以下は無料、75歳以上は半額となる割引制度が適用される場合があります(一部漁具・漁法に限定) 。遊漁券はオンラインプラットフォーム「FISHPASS」でも購入可能です 。また、漁具・漁法の制限、禁漁区域、体長制限などの詳細な遊漁規則が定められています 。
湯山漁業協同組合は、重信川水系石手川の本流および支流を管轄しています 。
提供された資料からは、湯山漁業協同組合固有のアユ遊漁券料金を明確に特定することはできませんでした。一部の資料には「あゆ 6月1日~12月31日まで 手釣り・竿づり・たも網・せん 年券 ¥6,000、日券 ¥1,500」といった情報が含まれていますが、これは愛媛県内水面漁業協同組合連合会の一般的な遊漁料表であり、湯山漁協に特化した料金であるかは断定できません 。湯山漁協の鮎釣りに関する最新かつ正確な料金情報は、漁協に直接問い合わせるか、公式情報源を確認する必要があります。
広見川漁業協同組合は、四万十川水系広見川の本流および支流を管轄しています 。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
広見川 | 広見川漁業協同組合 | 徒手・手釣・竿釣・たも網 | アユなど | ¥3,000 | ¥1,000 | |
上記漁法+友釣・なげ網・やす・投網など | アユなど | ¥5,000 | ¥3,000 |
広見川のアユの漁期は8月1日から12月31日までと定められています 。対象魚種にはアユの他に、ウグイ、コイ、モクズガニが含まれます 。遊漁券は、徒手・手釣・竿釣・たも網といった基本的な漁法に限定される年券が¥3,000、日券が¥1,000です 。これに加えて、鮎友釣り、なげ網、やす、投網など、より多様な漁法を含む年券は¥5,000、日券は¥3,000と設定されています 。この料金体系は、使用する漁法の範囲に応じて料金を区別しており、広範囲な漁法を許可する券には高い料金が設定されています。
高知県では、四万十川、仁淀川、安田川、物部川、新荘川など、日本有数の清流が多数存在し、多くの河川で鮎釣りが盛んに行われています 。これらの河川はそれぞれ独自の漁業協同組合によって管理されており、遊漁券の料金や規則も多様です。高知県の河川は、天然鮎の遡上が豊富であることでも知られ、特に四万十川では伝統的な火振り漁も行われるなど、鮎と地域文化が深く結びついています 。
日本最後の清流として知られる四万十川は、四万十川上流淡水漁協によって管理されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
四万十川 | 四万十川上流淡水漁協 | 竿漁 | アユなど | ¥8,000 | ¥2,000 | 現場加算金¥2,000。10cm以下捕獲禁止。 |
網漁 | アユなど | ¥11,000 | ¥4,000 |
四万十川では、竿漁と網漁で異なる料金が設定されており、網漁の方が高額です 。遊漁の際には必ず遊漁券を身体の見えやすい場所に着用し、監視員の求めがあれば提示する必要があります。遊漁券を携帯していない場合、その場で遊漁券を購入するとともに、¥2,000の現場加算金が徴収されます 。この現場加算金は、釣り人が事前に遊漁券を購入し、規則を遵守することを強く促すための措置です。これは、漁協が遊漁料収入の安定化と、漁場管理の効率化を図る上で、事前購入の徹底が不可欠であると考えていることを示唆しています。
アユ、アマゴの10cm以下の個体は捕獲禁止という体長制限が設けられています 。アユ漁は10月16日から11月30日の間が産卵保護のための禁漁期とされていますが、理事会の決議により期間が短縮または延長される場合があるため、9月下旬以降に漁協への確認が推奨されます 。遊漁券は、提供されている販売店リストのほか、オンラインアプリ「FISHPASS」からも購入可能です 。
高知県を代表する清流の一つである仁淀川は、仁淀川漁業協同組合によって管理されており、仁淀川水系(高知県側)は本流・支流すべてに漁業権が設定されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
仁淀川 | 仁淀川漁業協同組合 | 全魚種 (令和7年より) | 全魚種 | ¥9,000 | – | 高校生以下無料(釣りのみ、要学生証)。現場加算金¥2,000。 |
仁淀川の遊漁証は、令和7年より料金および有効期限の改正が行われる予定であり、全魚種年券が¥9,000、アマゴ年券が¥6,000となります 。このような料金改定の事前告知は、漁協が運営コストの変動、資源管理の必要性、または市場状況の変化に応じて、遊漁料を定期的に見直し、調整していることを示しています。これは、漁業管理が静的なものではなく、常に変化する環境要因に対応して柔軟に運営されていることを意味します。釣り人にとっては、最新の料金情報を常に確認することの重要性が強調される点です。
高校生以下の遊漁者(釣りのみ)は漁業振興のために無料とされており、高校生は学生証の携帯が必要です 。漁場監視員に現場で遊漁料を納付する場合、日券または年券の料金に¥2,000が加算されます 。遊漁承認証の携帯は義務であり、他人への貸与はできません 。遊漁券は、おとり店、販売店のほか、FISHPASSのオンライン販売システムからも購入可能です 。
物部川漁業協同組合は、高知県の物部川を管轄しています 。
遊漁券の料金体系は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
物部川 | 物部川漁業協同組合 | 共通漁券 (竿釣) | アユ, あまご, こい, うなぎ | ¥8,000 | ¥2,000 | 女性¥3,000, 21-25歳¥3,000, 75歳以上¥4,000, 肢体不自由者¥3,000, 20歳以下(中学生除く)¥500。中学生以下無料。 |
共通漁券 (網) | アユ, あまご, こい, うなぎ | ¥12,000 | – |
物部川漁協の遊漁券は「共通漁券」として、アユ、アマゴ、コイ、ウナギといった複数の魚種に利用できる点が特徴です 。さらに、この漁協は非常に広範な割引制度を設けています。女性、21歳から25歳までの若年層、75歳以上の高齢者、肢体不自由者、そして中学生を除く20歳以下の若年層に対して、それぞれ異なる割引料金が適用され、中学生以下は無料とされています 。このような多岐にわたる割引制度は、漁協が多様な年齢層や社会的背景を持つ人々に対して、鮎釣りをより身近で魅力的なレクリエーションとして提供しようとしていることを示しています。これは、短期的な収益だけでなく、長期的な視点で釣り人口を育成し、河川への関心を高めることで、将来的な資源管理への協力者を増やすという、社会的な投資としての側面を持っていると評価できます。
割引適用には年齢を確認できる免許証や保険証などの提示が必要です 。遊漁券を紛失した場合の再発行は行われないため、注意が必要です 。20歳以下の釣り券は組合事務所でのみ発行されます 。遊漁券は、物部川漁券販売所、物部川漁協事務所、またはオンラインの「つりチケ」サイトで購入可能です 。
安田川は高知県の清流の一つであり、安田川漁業協同組合によって管理されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです(2025年度の料金を含む)。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
安田川 | 安田川漁業協同組合 (2025年度) | 一般 (69歳まで) | アユなど | ¥10,000 | ¥3,000 | 鮎ルアー釣り禁止。おとり鮎販売開始。 |
高齢者 (70-79歳), 身障者 | アユなど | ¥8,000 | – | |||
特老 (80歳以上) | アユなど | ¥2,000 | – | |||
網 | アユなど | ¥12,000 | – | |||
学生 (高校生) | アユなど | ¥4,000 | – | |||
中学生以下 | アユなど | 無料 | 無料 |
安田川では、2025年度から鮎ルアー釣りが全区域で禁止される点が注目されます 。この特定の漁法に対する禁止措置は、漁協が河川の生態系や鮎の行動特性、あるいは伝統的な鮎釣りの文化を保護するために、意図的に漁法を制限していることを示しています。友釣りなど、鮎の生態に基づいた漁法を推奨することで、資源への過度な負荷を避け、河川環境の健全性を維持しようとする管理方針が背景にあると考えられます。これは、単に料金を徴収するだけでなく、漁業活動そのものの質を管理することで、長期的な資源の持続可能性を確保しようとする漁協の強い意志を反映しています。
安田川のアユ漁は6月1日に解禁されます 。2025年度からは、漁協でおとり鮎の販売も開始される予定であり、釣り人へのサービス向上が図られています 。料金については、以前の料金から変更されている旨の注意書きがあり、最新情報の確認が重要であることが示唆されています 。
新荘川は高知県の河川の一つであり、新荘川漁業協同組合によって管理されています 。
遊漁券の料金は以下の通りです。
河川名 | 漁業協同組合 | 遊漁券の種類 | 対象魚種 | 料金 (年券) | 料金 (日券) | 備考 |
新荘川 | 新荘川漁業協同組合 | 全魚種 | 全魚種 | ¥7,000 | ¥2,000 | |
特別遊漁 (あゆ網漁) | アユ | ¥11,000 | – | |||
特別遊漁 (あゆ引掛・玉掛) | アユ | ¥7,000 | – |
新荘川漁協では、全魚種に対応する年券と日券が設定されており、それぞれ¥7,000と¥2,000です 。これにより、鮎を含む様々な魚種を対象とする釣り人が、単一の遊漁券で遊漁できる利便性が提供されています。さらに、アユ網漁やアユ引掛・玉掛といった特定の漁法には、それぞれ¥11,000と¥7,000の「特別遊漁年券」が設定されています 。
近年、四国地方の多くの漁協では、遊漁券の購入方法が大きく進化しています。特に「FISHPASS」や「つりチケ」といったオンラインプラットフォームの導入は、その顕著な例です 。これらのデジタルプラットフォームは、スマートフォン一つで遊漁券の購入から、漁場監視員への提示、さらには釣りの開始・終了記録までを可能にし、釣り人の利便性を飛躍的に向上させています 。電波が届かない場所でも購入済みの遊漁券を表示できる機能は、山間部の河川での利用を考慮した実用的な設計と言えるでしょう 。
このようなオンライン購入システムの普及は、漁協側にとっても大きな利点をもたらします。24時間いつでもどこでも遊漁券を販売できることで、販売機会の損失を防ぎ、収益の安定化に寄与します。また、デジタルデータとして遊漁者の情報や活動履歴を管理できるため、より効率的な資源管理や漁場利用状況の分析が可能となります。これは、伝統的な漁業管理に現代のテクノロジーを融合させることで、持続可能な漁業の未来を築こうとする積極的な姿勢を示しています。
四国各地の多くの漁協では、漁場監視員に現場で遊漁券を購入する際に、通常の料金に加えて追加料金(現場加算金)が徴収されるという共通の運用が見られます 。この加算金の額は漁協によって異なり、吉野川漁協では¥2,000 、那賀川上流漁協では¥1,000 、鮎喰川漁協では日券に¥500、年券に¥1,000 、銅山川漁協では¥500 、四万十川上流淡水漁協では¥2,000 、仁淀川漁協では¥2,000 などが報告されています。
この現場加算金の導入は、漁協が釣り人に対して遊漁券の事前購入を強く促すための、効果的なインセンティブとして機能しています。事前購入を奨励することで、漁協は販売業務の効率化を図り、監視員が販売業務に時間を割くことなく、本来の漁場監視や規則遵守の確認といった重要な業務に集中できるようになります。また、釣り人が事前に遊漁券を購入することは、河川に入る前にその河川の規則や料金体系を認識する機会を増やすことにも繋がり、結果として無許可遊漁や規則違反の防止に貢献します。これは、漁業管理における効率性、コンプライアンスの確保、そして資源保護という複数の目的を達成するための、共通かつ実用的な戦略であると理解できます。
本ガイドで詳述された四国各地の鮎釣り遊漁券料金に関する情報は、各漁業協同組合が、河川の特性、資源の状況、そして地域社会のニーズに応じて、多様かつきめ細やかな管理を行っていることを明確に示しています。料金体系は、一般料金、日券、年券の基本区分に加え、性別、年齢(中学生、高校生、高齢者)、身体障害の有無、さらには使用する漁法(竿釣、友釣、網漁など)によって細分化されており、それぞれの漁協が独自の管理哲学に基づいていることが明らかです。
特に注目すべきは、遊漁券の販売チャネルの多様化と、それを通じた利便性の向上です。FISHPASSやつりチケといったオンラインプラットフォームの導入は、釣り人がいつでもどこでも遊漁券を購入できる環境を提供し、現代のライフスタイルに合わせたサービス提供が進んでいることを示しています。これは、漁協が単に規制を行うだけでなく、釣り人との接点を増やし、より多くの人々が鮎釣りに参加しやすい環境を整えることで、持続可能な漁業活動の基盤を強化しようとしている表れと言えるでしょう。
一方で、現場での遊漁券購入に対する追加料金の徴収は、事前購入の徹底と規則遵守を促すための共通戦略として広く採用されています。これは、漁協の運営効率化と不正防止に貢献するとともに、釣り人に対し、河川での活動が管理された資源利用であることを改めて認識させる役割を果たしています。また、特定の漁法(例:安田川での鮎ルアー釣り禁止)や区域制限、体長制限、禁漁期間といった詳細な規則は、各河川の生態系や資源特性に合わせた、より専門的な管理が行われていることを示唆しています。
これらの分析から、四国で鮎釣りを楽しむ釣り人への提言として、以下の点が挙げられます。
四国の清流で鮎釣りを楽しむことは、豊かな自然と触れ合い、その恵みを享受する素晴らしい体験です。本ガイドが、釣り人の皆様がより安全に、そして責任を持って鮎釣りを楽しむための一助となれば幸いです。